八ヶ岳赤岳 県界尾根から

登りは県界尾根、下りは真教寺尾根のルートをチョイス。登山口から尾根に上がるまではトレースがあったので、ずっと続いてしまうのかと思いきや、2200m辺りで先行者を抜き、待望のノントレースとなった。脛程度の深さの積雪だったのでツボ足で問題は無いが、ときどき踏み抜いて腿あたりまで埋まるといった感じで、じわじわと標高を稼いでいった。森林限界あたりでシェルを着込んでアイゼンを装着し、ラストスパートを決めにかかる。2599のピーク付近からは斜度が一気に急になり、特にトラバース箇所などは気が抜けなかったが、後ろからアドバイスをもらいながら突破していった。ハイライトとなるべき頂上手前では、見えるはずの山頂も見えず、心が折れそうになりながらひたすらラッセルをし続けた。どうなってるんだよとは思ったが、実はこういうシチュエーションが一番楽しい。見かねたKatsuは交代しようか提案してくれたが、時間の許す限り、先に行かせてもらうことにした。

 無理してラッセルを続けさせてもらったので、予定より少し遅れて山頂に到着。展望はゼロだったが、達成感は満点だった。独占状態の山頂で記念撮影をさっと済ませ、下山路へと向かう。

 真教寺尾根は、誰もいないだろうと踏んでいたが、下降してすぐのところに6人ほどのパーティーが停滞していた。9/10で撤退を決めて、下山しているようだった。ロープを出して降りていたので、横からクライムダウンで降りて先に行かせてもらった。山頂直下から、数百メートルは岩の露出が多く、ところどころ凍っていたり鎖が埋まっていたりする箇所もあるのでロープを使わないにしても、慎重さが求められた。その後も3人パーティー、2人パーティーとすれ違い、予想外の人の多さに驚いた。彼らはあの時点で山頂を目指していたが大丈夫だったのだろうか。結局、10人分のトレースに助けられて下山はスムーズになり、予定より早い4時には下山。なんとスキー場では雨が降っていた。

 下山後は、「おいしい学校」という、らしくないネーミングの日帰り温泉で汗を流して解散し、帰路についた。