本当は伊藤新道を三俣へ抜けるはずだった。
しかし、伊藤新道は沢ルートのため、「増水している」との情報で、武村新道を登ることとなった。
湯股は青嵐荘で極楽だったのだが、小雨の武村新道はしんどかった。
水晶小屋もとても素敵な小屋で、ブロッケン現象も現れ、天気も好転。翌朝の水晶岳ではオコジョが姿を見せ、楽しませてくれた。
三日目は鷲羽岳経由三俣山荘までとして、伊藤新道を上から偵察した。整備はもちろんのこと、毎年、このルートを維持していくのは苦労が多いだろうと思わされた。四日目からは再び天気が崩れ、台風の接近と共に風雨が次第に強まり、黒部源流、岩茸乗越でしばらく逡巡したのち、水晶小屋へ登り返し、高天原と雲の平はキャンセルとした。五日目は天気はいまいちながら、時折綺麗な虹がかかり、見送られるようにしてブナ立て尾根から下山した。
下山後、信濃大町の友人宅に泊めてもらい、温泉と夕食を楽しんだ。大町では、山岳博物館と三俣山荘図書室を訪問し、晩夏の山旅を締めくくった。