天候があまりに不安定で、雷雨が怖いので、ショートを重ねた。
22日は小川山レイバックでクラックトレ。もちろん2ピッチめも登る。
23日は唐沢鉱泉起点で天狗岳へ周回。
24日東沢渓谷地図読み周遊とアブミの練習。
25日はハイピークルートで頂上に立つ。
アルパインに必要な技術を連発で学んでもらう機会となった。新人は優秀なので、すべてクリア。記憶力も問題なし。しかも単独でも毎週登山に行っているため体力も申し分なし。難所の足取りも危ないところが全くない。地形と地図読みは経験を積み上げてもらおう。
ハイピークルートのピークに立っているときに救助ヘリが飛んできた。
ちょうど懸垂に入るタイミングでトップが降りたところだった。
ヘリはピークにいる私たちにアラートを発しながら、瑞牆頂上直下の一般登山道にいる負傷者のピックアップを始めた。
アブミで登っている時に一般登山道が「だいじょうぶ?」などの叫び声が聞こえているとは思っていたのだが、早めの救助要請があったようだ。
まず、救助隊員が降下して要救助者と接触、ヘリは一度現場を離れ、ピックアップ準備ができたところで戻ってきて、再度私たちにアラートを発しながらホイスト、無事要救ピックアップ。
ヘリが一度離れたところで新人に下降させ、私はピックアップが終わってヘリが離れてから懸垂した。
ヘリが瑞牆頂上直下の岩壁と森林に近かったので、かなり緊張した。
準備不足や知識不足の遭難とは異なり、蓋然性と確率の問題で怪我による遭難はどうしても起きてしまう。下界で転んだりするのと一緒なので、注意深く歩いている登山の場合でも仕方がないことが多い。そうしたときにヘリによる救助はありがたい。もちろんコロナ禍の最中なので、留意するに越したことはないのだが、事故者及び周囲の人がためらわずにすぐ救助要請してくれたよかったと思う。曇りで霧のような雲がかかっていた中でヘリがきてくれて本当にありがたい。