土曜日は瑞牆・カサメリ沢でフリー。
友人ペア2組と偶然出会い、3組6人で賑やかに楽しく登る。
14時過ぎに夕立がきてしまったので、早々に撤収となったが、旧交を温め、情報交換もして、クライミングもアドバイスしてもらい、有意義な時を過ごした。
翌日もカサメリでムーブ解析したルートをつなげようと思っていたのだが、日曜日朝7時に電話がはいる。
早朝の電話はたいてい良くない連絡である。
結果、他会の遭難者の捜索依頼を受け、柳沢峠を越えて、ココヘリの親機を持って急遽奥多摩に入った。
まったく報道されないのに重大な結果となる遭難は、奥多摩のみならず、どの山域でも頻発している。報道は偏向がありすぎるので、目にしない遭難はCOVIDだろうがなんだろうが頻発しているのだ。遭難スレスレ、というケースはもっと数多い。結果オーライの姿勢で、危ない目にあってから危機回避を考えたり対策したりしていると、命がいくつあっても足りない。
今回、捜索活動に関わる一連の動きの中で、いろいろと気になる点が多く、端的に言って、いくつかの基本的なチェックを行なっていれば、この遭難は防止できたと考えられる。
まず、計画書を見ると、遭難の確率がわかる、と言ってもいいくらい、計画書は大切だ。
当会で計画書のチェックが厳しいのには理由がいくつもあるのだが、想像力のない人にはいくら説明しても理解できない。
チェックの甘い会だと楽でいいだろうが、ルーレットを回しているのと同じ状態であることに気づかない人も多い。いや、大多数が気づいていない。
今回も、駆けつけてきた会の代表者4人に計画書を要請したが、一人も計画書のコピーすら用意しておらず、なんとかネットで探して提示してくれた計画書があまりに杜撰だったので、いくつか質問をしたが、明確にならない部分も多く、突然依頼を受けた民間救助隊としては、戸惑うことが多かった。遭難の可能性が生じた際の当該会の初期対応にもいくつか取りこぼしがあったので、こちらでフォローはしたが、やはり普段からの準備不足は否めない。
せっかく山岳会に入っているのなら、基本的なチェックを無料で受けられるのはメリットだと考えるのが普通なのに、「うるさい」「面倒」としか考えられない人もいる。そういう場合は自ら危険への道を歩んでいるようなものだと思う。杜撰な計画書ではいざという際に役に立たない。役に立たないなら、作成するだけ「面倒」な手間でしかない。同じ手間をかけてもらうなら、緊急時に役に立つ計画書を提出させるのが山岳会の義務である。
その他、いくつも気になる点があったので、会員には集会でフィードバックしておきたい。