続いて翌日10日は稲子南壁。
Sガイドがよく計画しているようなので、私たちも登ってみることにした。
アプローチは約2時間半。
途中通過するシラビソ小屋とミドリ池の雰囲気が良すぎて、11月くらいに泊まりに来たい!池の水面に周囲の景色が映りこみ、ゲラやリスが飛び回り走り回る。夏休み真っ最中なのに静寂な別世界・・・
稲子南壁への取付まではかなりの急傾斜。壁にとりついてからは快適なクライミングとなる。他の記録によるとルーファイが難しいとあったが、そこは日本のアルパイン、ハーケン連打のため、ルーファイらしいルーファイはしなくてもわかる。しかもクラックが快適でカムの効きもバッチリ。たまに緩んだ岩、浮き石はあるものの、アルパインルートとしてはごく普通。初心者連れの3人パーティーなので、トップを代わってもらうこともなく、約2時間で、登攀終了。
コマクサの群落のあるざれた斜面を詰め、ロープ通しに左の樹林帯、よくふまれたトレースを辿ってシラビソ小屋帰着。かわいい図柄のバンダナもゲット。1枚700円。ここでのんびりおやつタイムを取ってから、駐車場までゆっくり降りて1時間ほど。稲子湯でさっぱりしてから帰宅。硫黄が微かに漂う鉄分いっぱいのお湯。夕飯はゴーヤチャンプルと焼きそば。
全体的に北八ヶ岳のフカフカの苔に覆われた深い森が印象的なルートで、まだ行ったことのない北欧のイメージのある山旅だった。
ルート自体は難しいことはないので、経験者に同行してもらえればアルパイン初心者にとって楽しいトレーニングルートになると思う。
ここは少しワイドなクラックが核心と言えば核心。
背後に北八の深い森が広がる。